毎日怒涛のように過ぎていく。嬉しいことなのですが本当に忙しくさせて頂ております。スタートアップなので仕方がないのですが、上の子が中学生になってから、下の子が学校外のクラブで剣道を始めてから加速度的に休みがなくなりました。
今のビジネスにおいて、とにかく皆さんの限られた可処分時間を何に使わせるかが勝負なところがありますね。
私の場合、子供が生まれてからはエンターテイメント時間が激減しました。連続ドラマなんて最後に何を見たのか覚えていなかったのですが、久しぶりに最初から最後まで見たのが「虎に翼」でした。ちょうど娘が寅年で名前の由来だったし、法律を生業にしているハシクレとして興味があったし、テレビがない我が家ではNHKを見ることがないですが、サブスクNHKオンデマンドの対象番組であったので(一部見れない番組があり、その場合は別途NHK受信料を払うコースに導かれるという仕組み)ということで、週末に家族でまとめて見ていきました、130話。
個人的には、もう優三さんが出ただけで涙が出ていました。どうしてだろうってくらい、優三さんの存在は大きく次の日は常に埴輪の顔になっていました(目が腫れ上がって)。
脚本家の吉田恵里香さんには脱帽です。いかにもなフェミニズムではなく、男女それぞれが抱える価値観、戦前戦後と時代も変わる中で、様々な立場、職種、境遇、状況の人にフォーカスを当てていて、自分の考えや価値観も出しつつ、相手のことも受け入れることもあれば受け入れないというスタンス両方というか、”正しさ”だけで語られていない絶妙な演出に心を打つことが多かったです。人の数だけ正義がありますから押し付けてはダメですよね。まあ、こうやって私は女子に特に勉強してくれ!!と押し付けているのですが(^^)/
私は「長崎県メディア安全指導員」としても活動しています。
メディアとの付き合い方、について、外部講師として各学校や施設に出向き話をします。私はそこで、勉強の大切さを強く訴えています。
最近、中村淳彦氏の著作も読んでいて、女子の貧困について現状を知ることができました。悲劇がそこにはあります。女子中高生向けに夏の推薦図書にしたいくらい!!自己責任論で片付けてしまえば終わりなのですが、少しでもそういった苦しみに陥ってほしくないと、改めて学ぶことの大切さを次の世代に伝えようと再認識しました。
やはり、妊娠をした瞬間、語弊があるかもしれませんが、女は一気に生物として無力になると思います。身動きが取れなくなります。
もちろん幸せなことです!が、幸せ、と感じれない境遇になることも残念ながら多々あります。
思い込んだり、騙される人というのは疑うことを知らない人です。真面目なんです。自己主張をしない周りに気を配る優しい人が多いのです。
私は安全指導員になった時に「まずはいろんなことを疑え。そしてSNSで”知り合う人”を即信用するな。」と話すと、同じ指導員からは「人を疑えってあまり言いたくないよね」と言われました。
小中学生には将来の夢とかキラキラしたことしか目に入らないことが多いと思います。「失敗は成功のもと!」「失敗を恐れなくていい」と言われますが、実際の悲劇とか悪夢とか失敗例とか、具体的な話はされません。でも学校の外でインターネットのおかげでYouTubeやSNSから中途半端な情報やセンセーショナルな情報が垂れ流しになっている今、きれいごとは言っていられないと思います。R15と規制しても拡散します。
改めて、学校での勉強、今は退屈かもしれないけど、その積み重ねが、”テキスト”を読む力、人の話を聞く力、考える力になっていき、外から入る情報を取捨選択したり、何かを決定する力になっていく、と私は”現時点で”結論付けています。
最近強く思うのが「自分の頭で考えることが大事」というのも、ベースになる知識が”相当”なければ考えることはできない、という現実。
新規事業の事業計画書作成のお手伝いをしていても、ググってサクッと手に入る情報だけで作った計画書はもちろん内容薄々で、ましてや集英の出るビジネスにはなりません。
子どもの場合、一旦自分で考えさせて、「うーん、やっぱり分からない!」となって、「分からない理由は知識が足りないからだ(だからもう少し情報収集しよう、勉強しよう)」となればいいのですが「まあ分からなくてもいいや」「自分はバカなんだ」と間違った方向に行ってしまっていないかと心配にもなります。
大人の場合、情報収集先も問題になります。変な情報商材からの受け売りだったり、〇〇さんが良いらしいと言っていた、とか・・・自分で汗水流して得た知識や情報ではないんですよね。
貧困女子の現状を見ても、もちろん、当事者だけではどうしようもない状況が多くあり無責任なことは言えないのですが、もう少し知識があれば、もう少し人を疑うことをしていれば、聞く相手を間違っていなければ(その判断材料はやはり学力に比例する)という部分が非常に多く見受けられます。
子育て論で「勉強しろ、勉強しろ」って言わないことがコツです、なんてのもあります。その子のやりたいこと、夢を見つけ、モチベーションになることが1番だとは思いますが、勉強しなければどんなヤバイ状況になるか、という悲劇も同時に、体感できないとしても、大人が教えてあげることもできるのではないかと思うのです。
そして「活字を読むこと」に免疫を付けること。マンガでもいいじゃないですか。活字に抵抗がなくなれば、興味のある分野は読めますし、過去の英知が詰まっています。本を選択する力も合わせてついていきます。多様な視点から物事を考えられるようになりますし、自分の軸もできてくる。世は諸行無常だから、自分も含めてどんどん考え方も変わっていいですし。
私も東京で学生時代を過ごしたのでよく分かりますが、都会では地方から出てきた真面目な女子が格好の餌食になります(男子も)。
だからこそ、私は周りが何と言おうと、勉強しなさい!と口酸っぱく伝えています。
「あんたは恵まれているからそんなことが言える」と相手のことをよく知りもしないのに表面上の情報だけで勝手に比較し、悲劇のヒロインぶる人になってほしくない。みんなそれぞれ実は色んな悩みを抱えて生きています。そこに優劣はないですよね。少なくとも、日本では勉強できる環境が平等に与えられています。ただ、その大切さを教えてくれる大人が周りにいるかどうか、は大きく影響していくかと思います。
ということで、虎に翼、ライフスタイルでいろんな顔を持つ女、時代が変わっても本質的なことは何も変わっていない、ということをエンタメとして楽しませてもらいました。長崎県はなんと大学に法学部がない理系に強い県?なのですが、法律を学ぶ機会があればいいなあと思います。
一人一人が自信を持ち、自分を自分で褒めたり励ましたりできる精神状態があってはじめて人の役に立つ人になっていけると思っています。
長崎の未来の子供たちには羽ばたいてほしいので、自分ができる範囲で、やれることをやろうと改めて思ったドラマでした。
そして、私も、男尊女卑が残る文化圏の中で、どんどん表に出ていこうと思いました。仕事や学校での活動等に参加しているといろんな場面で「はて?」と思うことがありますが、私はあいにく寅子のようにモノを言える女ではありません。情けないけど未熟です。
女性活躍!ととりあえず言っておけば良いよね空気感が充満している今、表面的な”活躍”ではなく、女性をもてはやすのではなく、男女が共にリスペクトし支えあう社会を作りたいと、良くも悪くも、シトラスがモデルになれればと思っています。