2022年12月16日策定、2024年10月1日改定
経営の方向性、ふたつの根幹
行政書士倫理綱領には「行政書士は、国民と行政のきずなとして、国民の生活向上と社会の繁栄進歩に貢献することを使命とする」と明記されているにも関わらず、不正行為・違法行為により処分される行政書士が少ないながらも存在します。顧客の利益を差し置いて自己の利益を追求するというのは言語道断と言わざるを得ません。また、気づいたら不正に手を染めていた、ということも起こりえます。そのようなことがないよう相談者及び相談内容も的確に理解しなければなりません。私たち行政書士法人シトラスは顧客第一の姿勢を忘れないために経営理念を、その実現加速のためにDXビジョンを策定致しました。このふたつは私たちの行動の根幹です。
デジタル庁が発足し、行政窓口も物理的なものから電子的なものへとシフトしています。今後は電子申請が更に普及し、行政による支援へのアクセス可否には個人・会社のデジタルデバイドが大きく関係すると考えています。
経営理念にある通り、今後のデジタル社会においても従来と変わらず「必要とする全ての方へ行政書士業務を提供する」ために私たちはDXに真剣に取り組んできました。自社をDX-Readyの状態に持っていくことは生産性向上・労働時間削減・人材戦略上の競争力の源泉となると確信しています。
情報処理技術活用の方向性
行政書士業は労働集約型のビジネスであり、受注件数が増えればそれを単純にパートタイマー増員で対応することが一般的です。また、非効率的な業務の進め方が慣習的に行われており、故に生産性・利益率の低下は免れ得ず、仕事内容・労働時間に比例してスタッフの待遇が向上するわけでもなく、他産業に比べて恵まれているとは言えない労働環境でした。スタッフの待遇が低いと業務完遂の遅延やサービスの質低下などが当然に起こりえます。このような環境は申請内容不備・却下・不採択、ひいては不正の温床に繋がり、顧客に大きな不利益を与えます。
行政書士法人シトラスはそのような現状に一石を投じるべく、少ない人数でも効率的に業務を行える環境を整備することで生産性向上と労働時間削減を同時に実現させ、より多くの顧客に高付加価値の行政書士業務を提供するべく、DXに取り組んで参りました。私たちは2030年までに九州で最も効率的な働き方の行政書士事務所となることを宣言します。
企業経営及びIT導入の具体的5方策
私たちの具体的方策は、書類作成の省力化・申請&契約の電子化・対顧客折衝の省力化・データ取扱の効率化・情報共有の遠隔化の5つです。行政書士業界で従来行われてきた非効率的な仕事の進め方を、ITを活用することで効率的な運用に改めて参ります。
私たちは創業当初より社内で取り扱う書類は紙ベースではなく、100%ペーパーレスでデータ管理をしてきたことでクラウド管理や電子申請、書類半自動生成システム開発と、DX推進の上で良い連鎖を生み出しています。ITを活用することで顧客とのやり取りに要する時間を大幅に削減することができており、非対面で業務を遂行できたことはコロナ禍においても大きな価値創造に繋がっております。
ITでの業務効率化を通して、スピードをもって多くの顧客に行政書士業務を提供することができたこれまでのDXの一連の流れによって、自分たちの方向性が間違っていないことの確信を深めました。
また、九州内の他士業事務所と当事務所のメソッドを共有し、地域全体の利益最大化に波及できるシステムの構築に取り組んで参ります。経営理念の実現のためには業界全体の利益を通して日本国全体へ貢献していくことが必要であると考えています。
DX推進体制
更なるDX推進のため、2022年10月1日付でDX推進室を立ち上げ、松岡哲司をDX推進室長に選任致しました。DX推進室長を中心に進捗状況管理および人材育成を重点的に推進していきます。
人材育成
DX環境整備の具体的方策
私たちは創業当初からクラウド導入・ペーパーレス・VBAでの業務効率化に取り組んできたため、大企業・老舗にありがちなレガシーシステムといったものがありません。また、まだまだ小規模であるため、私たちのDXは1日単位ではなく1時間単位で進んでいます。これらのメリットを活かしてスピード感のあるOJTを日々行い、DXをアップデートしています。
当事務所では全職員が7Robots社のRPA研修を受講しており、全員でRPAの保守管理を行っています。これにより、社内の全業務の工程において合理的思考法で統一され、業務の効率化と人件費の時間当たり単価を意識した働き方が当たり前な環境へのアップデートを加速させています。
DX戦略達成状況に係る指標
生産性向上・労働時間削減によるKPIはそれぞれ、2025年に電子契約・電子申請300件/年、有給休暇取得率100%達成とし、全社的課題である情報セキュリティの更なる向上のために情報セキュリティスペシャリストを1名以上育成もしくは採用することを自分たち自身に課すことで、より顧客に貢献できるマインド醸成・体制整備を進めて参ります。
2023年度はDX認定取得後に初めて通年で本指標を意識した活動を実施しました。結果として、行政書士業務本体部分の生産性向上は大きく進み、電子契約・電子申請併せて189件と2025年度に達成すべきチャレンジングな目標に着実に近づいています。
私たちのDX推進への決意
行政書士法人シトラスは、デジタル技術を積極的に取り入れ、業務効率化と顧客満足度の向上を追求しています。2024年現在、私たちはAIを活用した社内書類作成の効率化、クラウドを基盤としたデータ管理システム、リモート相談システムの導入などを進めてまいりました。これにより、顧客とのコミュニケーションを円滑にし、迅速な対応が可能となる体制を構築しています。
具体的には、クラウドベースのシステムを活用し、顧客のデータや書類の管理を一元化し、安全かつ効率的な情報共有を可能にしています。これにより、複雑な手続きにおいても、お客様はリアルタイムで進捗を確認でき、安心してサービスをご利用いただけるようになりました。
今後も、ブロックチェーン技術を活用した契約書の安全性向上や、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を用いた業務のさらなる自動化を進め、より革新的なソリューションを提供していく予定です。これらの取り組みによって、業務の効率化はもちろん、より迅速で的確なサービスの提供を目指してまいります。
DX推進により、私たちは顧客の期待に応えるだけでなく、地域社会全体に貢献する新しい形の行政書士事務所を目指します。行政書士法人シトラスは、これからもITの進化と共に変革を続け、皆様に信頼されるパートナーとして、常に前進し続けることをお約束いたします。
2024年10月1日
代表社員 松岡いずみ