車とバイクで何が1番の違いか。
そりゃもちろん、タイヤの数です。
バイクは何もしていなければ倒れる乗り物です。
だからこそ怖いし、と同時に運転(操作)している!キモチィィィ!という実感もあります。
バイクの転倒で1番多いのは「立ちごけ」です。
BikeJINセレクション バイク・ライディングの強化書(バイク雑誌)の1,000人読者アンケートによると、立ちごけしたことのあるライダーは86%
立ちごけとは、急ブレーキ(急制動)やエンストにより一旦止まった上でバランスを崩して足で踏ん張り切れずに転倒・・・というものです。
派手にこけることはあんまりないですし、その場合はもう完全に事故。
バイク事故は死と直結するのでライダーたちは慎重に、そして緊張感をもって運転しているのですが、
人が急に飛び出してきたり、道路状況により滑りやすくなっていたりと急ブレーキを踏まざるを得ない状況はたくさんあります。
それに加えて初心者はバイク自体の取り回しも慣れてなくて、車では考えられないケースがあることを知らないために起こしやすいかもしれません。
私はまさにそうでした。
あれは忘れもしない2020年11月11日。
走行距離1,000㎞を超え、バイク屋さんにメンテナンスに行った2日後、悲劇は起きました。
初回定期点検でオイル交換もしてもらい「これからはぶん回して(回転数出して)乗りな!」と言われたばかりでした。
よっしゃー!と思ってぶん回してコケたわけではないのですが、とうとうコケてしまいました。
そう、ここは坂道の町、長崎。
突如現れる急こう配の坂道。(地理が頭にあれば問題はない)
その日は仕事で、今まで通ったことがない所が目的地でした。
長崎市内は〇〇台と名が付く住宅街が多くあります。
自宅のすぐ近くだったのですが知らないエリアで、中々目的地が見つけられずウロウロしていました。
そこで出てきたもんのすごい急な下り坂。
一旦停止し「ひえ~これはすごい。。。」
ジェットコースターの1番高いところから見下ろす感じです。
「お、お、落ちる~~~!!」みたいな。
車であれば行けるけど、バイクは怖い。
そこで引き返せばいいものを、なんと私は「低速で行けば大丈夫かな」と走り出してしまったのです。(アホです)
でも3メートルくらい進んだときに「これはヤバい、倒れる」と直感的に感じ、右手にマンションがあったのでそこの駐車場に一旦避難しました。
問題はそこからでした。
来た道、すなわち上り坂を1速で思いっきり戻れば良かったものを、坂道に対し垂直に進みだし「えーと、どうしようかな」と一旦停止をしたのです。
はい、図のようになります。
短い右足は地面から浮いて地面に届きません。
右に倒れ始めます。
左足は地面から離れます。
右足の着足の瞬間に踏ん張ったのですが、重力とバイクの重さに耐えれずスーっと静かに倒れました。
ほんの数秒の出来事でした。
「やっちまった」
車道のど真ん中。
早くバイクを引き起こさなければ!!
焦ります。
もちろん、倒れたショックがあります。
幸いケガはないし、どこも傷みませんでした。
しかし、坂道なので45度以上の角度を、150㎏バイクを引き起こすのは中々できず放心状態。
車はまだ通らず、人気もない。
何とか一人で持ち上げようとするのですが全然動かない。
基本的に「引き起こし」って教習の最初だけか、倒した時くらいしか経験ないし(しかも指導員が手伝ってくれた。本当は良くないんでしょうね…)、わざと倒して練習はしませんよね。。。
今思えば、ショックで力が入っていなかったんでしょうね。
なんてこった!!汗ばかり出てくる。
夫に電話でヘルプを出しました。
電話を切った後2分くらいして、気づいたらお兄さんが「大丈夫ですか!?手伝いますよ!」と小型二輪で現れました(長崎はバイク通勤者多いです)。
「僕もここでバイクでこけたことあるんですよ~、ここ長崎でも有名な坂なんです」「ケガないですか?」と声をかけてくれました。
お子さんを幼稚園にお迎えに行くために帰宅途中だったというパパさんに助けられ窮地を脱しました。
ひたすらお礼を言って、またマンションの駐車場に止めて、さてどうやって帰ろうとまたもや放心状態だったところに、
血相を変えた夫がやってきました。
「とりあえずバイクは移動できたんやな!!」
「坂道で止まんのありえへん!!」
「運転できんのか?ついてこい!」
と死に直結するからこそ厳しく言いながら先導してくれて帰宅しました。
坂道でのバイク運転について勉強をした日になりました。
今でも坂道は緊張感が特に高くなりますが【タイヤが回転している限りは倒れない】をを念頭に運転をしています。
帰宅後、右手首にアザができていたことに気づきそれ以外は無傷でした。
ブーツとプロテクター入りジャケット&ズボンが早速威力を発揮しました。
初心者は、自分と家族の目にプロテクター入りウェアを身につけましょう。
そう、特にオバサンはね。。。
結局またバイク屋さんに行くことになり、右ミラーと右ハンドルレバーの交換。
右側のボディには小さな傷が何か所かできました。
「なーに、ケガがなくて良かった!そうやってみんな運転がうまくなるんだよ。僕なんか(略)」と励まされました。
「こんなにも傷つけてしまってごめんよ・・・」
バイクに謝りました。
「これからはもっと気を付けて運転するね」
バイクは返事をしませんが「大丈夫、あなたがケガがなかったのならいいよ」と言ってくれているようでした。
いつまでもクヨクヨせずに、仕切り直し!
緊張感をもって愛車と一緒にバイクライフを楽しもうと思いました。