【補助金・助成金】ひとを大切にする事業所に AIもその味方です

「人がいない」

「定着しない」

経営者からよく聞くセリフです。

長崎県は「収入が低い」県として上位にランクインします。

収入が少ないので支出に余裕がない

→事業者がモノやサービスを提供する際の値付けが低めになる

→会社収入が低め→従業員の給与が中々上がらない

→収入が少ないので・・・というループになります。

かといって、生活費が安く済んでいるかというとそういうわけではありません。家賃は福岡県内に比べ高いです。駐車場も別、ということはザラです(長崎市内)。収入という観点で見ると長崎県を出ていくことが容易に想像できます。

※ただ、お金を使う場所がない、という意味では支出が自ずと低くなるかもしれませんし、お金があってもストレスフルな生活であればキツイですし、お金が必要最低限あれば幸せ、ということも十分にありますのでいい悪いの話ではありません。

井の中の蛙大海を知らず。されど空の深さ(青さ)を知る。

常識と思っていたことが全く違っていた、私の考えってあるようで無かった・・・という本やネットの情報だけでは得られなかった気づきが本当にたくさんあります。ああ、世の中のことを知らないな、と「無知の知」を体感することができるのです。そうすることで思考が深まり、視野は確実に広がります。長崎を出て、お金だけではないいろんなことを得られることでしょう。

だからといって、地元志向が悪いとも思えません。地元にすでに土地(住む場所)があったり、様々な繋がりがあったりするのであれば、わざわざ飛び出すこともないのかな、とも思うからです。ただ長崎県を出て、首都圏や海外で生活をすることはとてもいいことだと思います。それを故郷に持ち帰ることができるのであればなおいいのかな、と。

1月20日付、長崎新聞朝刊の1面にジャパネットたかた創業者高田氏のインタビューが掲載されていました。

ちょうど長崎県知事選があるため『これからの長崎のために(知事選で思うこと)』というシリーズが展開されるようです。高田氏の発言を抜粋します。

『もっともっと県民に夢を語ってほしい』『これまでは企業誘致がメインであったが、県内で頑張っている地元企業や生産者さんの育成(による発展や雇用創出)が大事だ』

1月20日付長崎新聞

激しく同意です。

知事だけでなく、多くの経営者さんにも、今のご時世大変ですが、こうしたい!ああしたい!とか

年収ランキングに入るくらいの会社にする!みたいなのでも、とにかく夢物語、してもいいと思います。わくわくする話を経営者から聞けると楽しいです。

最低賃金で、経営者はとにかく忙しくコミュニケーションもあまり取れなくて、わくわくする話をする雰囲気もない、従業員は何となくみんなお疲れモード・・となるとそこに就職したい!という気持ちは減りますよね。

同じく長崎新聞が発行しているNR(ながさき県内就職応援サイトNなび)でも今の若い方の就職先を決めるポイントは「お金も大事だけど、キャリアを底上げできる環境、福利厚生、仕事のやりがいがもっと大事」と読んだことがあります。

個人的には生活費が確保されなければ健全な思考は生まれないのでまずはお金(給与)ですが笑、その会社に就職することでの満足感、はとても大事だと思います。成長できる場所であるか。子育てや介護との両立はできるのか。振り返れば前職では多くの研修やOJTが用意されており、教育(能力開発)に力を入れていたのだな、と改めて感謝しているところです。

とある建設業の社長は、制服やヘルメットのデザインにこだわり支給していました。経営理念や見た目のデザイン、企業ブランドにカッコイイとかカワイイというのも大事だと思います。こんな時代だからこそ、”かっこつけマン”が増えてほしいと思います。

話がまとまりませんね。何に持っていきたかったかというと、人にフォーカスを充てた助成金・補助金があるんです、という話です。

ざっくり言いますと、

・助成金はどちらかといえば「人」にフォーカスを当てた国の援助です(厚労省管轄)。

・補助金は、「機械・広告」などの設備投資に対する国の援助です(経済産業省管轄)。

「人に関する支援は助成金」と思っていましたが、補助金の申請要件の行間を読むと「働き方改革(働きやすい職場環境整備)」「雇用創出(付加価値額向上」「生産性向上(IoT、AIの活用)」「キャリアアップ(育児も両立)」などを実践する事業者を応援してくれるのではないか、と感じます。

いずれも、国が持っていきたい方向性に合わせて設定されます。

AIに仕事を取られる、AIによって人がないがしろにされる危険性がある、なんて論調も一部ありますが(AIそのものは仕事を取りません)、決してそんなことはなくて、人間しかできないこと、というのはまだまだありますし、むしろ人間が存在している以上取り組むべき課題は底なしのような気もします。機械でできることは機械でしてもらう。限られたリソース(ヒト・モノ・金・情報)を有効に配分する(人間にしかできないことにあてる)というのはキホンだと思います。

どうすれば売り上げが上がるのか、利益は確保できるのか、無駄はないか・・・と考えられるのは経営者(人間)だけです。その考える仲間が従業員であるとすれば、その従業員を採用・教育・定着することがとても大事です。ひとりで考えるよりも2人で。。。従業員が他の仕事をしている間に自分にしかできない営業を。。。もうすでにされているとは思いますが、もっともっとやれること、あると思います。

それを推進するために補助金や助成金があります。長い目で見て、人を大切にする会社は発展します。コロナ禍や災害など人間の力ではどうしようもないことが起こる今だからこそ、みんなで知恵を絞っていくことが求められます。知恵を出してくれる人間をいきなり採用、というのはおこがましいですよね。自分がそんなに優秀でしょうか?自分も学び、きちんと教育(投資)し、一緒に成長する。一緒に売上も伸ばして収入を1,000万円にしようぜ!といえるのが小・中規模事業者の強みでもあると思います。

私は前職で新人の時、当時の部長から「2000万円プレーヤーになれ」とサクッと言われたことがインパクト強すぎて今でも覚えています。真意は分かりませんが、目を覚まさせていただいたことは確かです。そ、そんなことが可能なの!?と。

前出のNRでは、長崎の企業に求めること、という点で地元への貢献について具体的に発信してほしい、とも意見が出ていました。

補助金申請でもSWOT分析をするのですが、自社を客観視する、棚卸する時間が中々取れず、特に強みを言えない事業者さんが多いです。きっと遠慮もあるとは思いますが、ご本人たちは気づいていないことも多いです。当たり前すぎて。

そこを掘り下げ文章にしていくこと、が当所の強みでもあります。もちろん、いいところばかりPRしては、いざ採用後の実態を見たときに「違う」とイメージダウンされても困りますのでリアルな声も出しつつ(若い人がいない、IT関連は苦手、女性が少ない、遠方の出張もある等)そこも改善したいという意欲はあるんだ(それを一緒にしてほしい、変えてほしい)、地域にこんな風に役に立っているんだ、という部分をきちんと発信できればいいと思っています。

当所は、「人を大事にしていきたい」という経営者さんの応援を全力でいたします!

※ただし助成金は主に社会保険労務士さんの分野であるため対応できかねることをご了承ください。(;^_^A

この記事を書いた人

松岡 いずみ

長崎県長崎市の行政書士法人シトラス代表社員。
主な業務は建設業・廃棄物・補助金・相続・離婚・内容証明。
補助金の採択率は8割強。
行政書士の他に宅建士・2種電工・FP2級などの資格を取得。
IoTやDXに力を入れており、長崎県で初の経産省DX認定を取得。
マイブームはStable Diffusionでの画像生成とRPAのフロー簡素化。